陸奥八仙を楽しむ会
昨日、「陸奥八仙を楽しむ会」を開催致しました。
ご参加頂きましたお客様、誠にありがとうございました。
「陸奥八仙」を醸しているのは、1775年創業となる青森県八戸市に蔵を構える「八戸酒造」さんです。
もともとは近江商人で、滋賀県の琵琶湖の湖西、すなわち、今でいうところの高島市安曇川町北船木出身で、麹屋として創業し、その後、造り酒屋となりました。
創業時の銘柄は「陸奥男山」で、酒蔵が港町にあったことから、地元の漁師が好む辛口酒を造っていました。
昭和になり「企業統制令」が発令され、八戸市とその周辺にあった16の酒蔵が結合して、組合のような形で、共同組織として酒造りを行うことになりました。
その後、普通酒ではなく、品質にこだわった酒造りを目指すため、共同組織からの独立を考えますが、法的にも困難な道のりだったようです。
1998年、近所の酒蔵が休業することになり、八代目がその蔵の設備を借りる形で何とか酒造りを始めることができ、それと同時に「陸奥八仙」が誕生しました。
2002年には長男の秀介(ひでゆき)さんが蔵に戻り、弟の伸介(のぶゆき)さんも酒造りに携わるようになった2009年頃、ようやく判決が下り、組合で使用していた自社蔵が八戸酒造に引き渡されることになりました。
「陸奥八仙」の酒造りは、ここからが本格的なスタートとなりました。
2013年には、伸介さんが杜氏となり、現在、兄弟二人が中心となって、「陸奥八仙」を飲んで日本酒が好きになったと言ってもらえるようなお酒を目標に、酒造りを行っています。
それでは今回の出品酒ですが、乾杯酒を含めまして合計8銘柄です。
この中で乾杯酒にさせて頂いたのは…
一番右端にあります「陸奥八仙 純米大吟醸 吟烏帽子40」です。
青森県には、「華吹雪」や「華想い」といった酒米がありますが、これらは津軽地方に向く品種で、冷たい風が吹くヤマセの影響で、県南地方では栽培が難しく、県南地域の酒造会社にとっては、その地で栽培された酒米で酒造りをすることが長年の願いでした。
そこで開発されたのが「吟烏帽子」です。
「吟烏帽子」は、寒さや病気にも強く、心白も適度な大きさであることから、純米酒から純米大吟醸クラスまで、幅広く使用できる酒米です。
八戸酒造さんでは、試験醸造の段階からこの酒米を使用しており、こちらのお酒は40%まで磨いた純米大吟醸となっています。
その他右から順番に…
①陸奥八仙 純米大吟醸 レイメイ40
②陸奥八仙 レイメイ99
③陸奥八仙 ヌーヴォー 特別純米 生原酒 おりがらみ
④陸奥八仙 赤ラベル 特別純米 直汲み 生原酒
⑤陸奥八仙 緑ラベル 特別純米 火入れ
⑥陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸 生
⑦陸奥八仙 ISARIBI 特別純米 生原酒
①②は「レイメイ」で醸した精米歩合の異なる2種飲み比べです。
「レイメイ」は生産量も減少し、幻になりつつある酒米で、「華吹雪」の父系、母系に、この酒米が存在しています。
おそらく「レイメイ」で醸されている銘柄は「陸奥八仙」のみだと思われます。
特に②は、究極に磨かないお酒として、鑑評会出品酒よりも手間暇のかかった、いわば挑戦酒です。
40%まで磨いたものと僅か1%しか磨いていない99%精米のお酒では、色合いから味わいまで全く異なるものでした。
①が今回の出品酒では一番人気だったと思われます。
②は酸味が特徴で、ワインのような日本酒でした。
お燗でも楽しみましたが、面白い味わいでした。
③は今回の出品酒では唯一となる「おりがらみ」です。
「おりがらみ」ということもあり、米の旨味がダイレクトに感じられるお酒です。
新酒第1弾として発売されているものです。
④は文字が赤いので「赤ラベル」と呼ばれているものです。
この「赤ラベル」は微炭酸のある限定直汲みバージョンです。
華やかな香りと「陸奥八仙」らしい旨味のあるお酒です。
⑤は見た通りのピンクラベルです。
メロンやバナナを感じさせるような香りと芳醇な旨みのあるお酒です。
⑦は「青ラベル」ではなく、「ISARIBI」です。
漁師の食中酒というイメージでスッキリとした後味が特徴です。
「陸奥八仙」の中では辛口に近いお酒になると思います。
まだまだ出品したかったものがたくさんありましたが、人数の関係で8種類となってしまいました。
ただし、気に入ったお酒は、取り寄せました陸奥八仙の仕込み水とともに、じっくりとお楽しみ頂けたのではないかと思います。
それからお料理ですが…
先 付 苺の白和え
前 菜 蛸の唐揚げ 海老の手まり寿司 ホタルイカの酢味噌掛け 帆立のソテー
お造り スルメイカ ヒラマサ
焼き物 鰻肝焼き
煮 物 女将特製 卯の花
揚げ物 白魚と空豆のかき揚げ
食 事 うな丼 出し汁 薬味
香の物 胡瓜 大根 蕪 人参 守口漬
先付は、旬の苺を使った白和えです。
ご退職やご卒業といった様々なお祝い事も自粛されている昨今、少しでも可愛らしく、少しだけおめでたい気持ちになれるように、ケーキのような盛り付けにさせて頂きました。
前菜は、魚介が豊富な港町ですので、魚介4種盛りにしました。
お造りは、2点盛りです。
八戸沖合はスルメイカの好漁場で、イカの水揚げ量も日本一です。
甘みあるスルメイカは「陸奥八仙」とも相性抜群です。
煮物には、この時期定番となっている女将特製の「卯の花」です。
8種類の具材を使用していますので、栄養も満点です。
「鶏肉」
「桜えび」
「木くらげ」
「干し椎茸」
「葱」
「人参」
「蓮根」
「牛蒡」
常連のお客様から、いつもご好評を頂いている一品です。
揚げ物には、春の訪れを告げる「白魚」と「空豆」を使ったかき揚げです。
お料理はいかがでしたでしょうか?
味覚の「春」を感じていただけたでしょうか?
最後にじゃんけん大会を行いました。
勝利した4名の方には…
大人気銘柄「十四代」の非常に珍しい300mlの小瓶と、「紀土」と「十九」の「酒粕」をプレゼントさせて頂きました。
おめでとうございます!
コロナウイルス感染拡大に伴う様々な自粛要請が発動されるなか、今回の日本酒会は「開催か?」「中止か?」非常に悩みました。
途中、遠慮なく欠席してくださいと、お知らせもさせて頂きました。
にもかかわらず、参加を希望してくださるお客様が多数いらっしゃいましたので、迷いながらも開催いたしましたが、皆様には、ご心配やご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳なく思っております。
したがって、来月の日本酒会は、残念ながら、いったん未定とさせて頂きます。
開催できる状況になりましたら、またこちらからご連絡させて頂きます。
ご参加くださいました皆様、本当にありがとうございました。m(._.)m