ブラインドを楽しむ会
昨日「ブラインドを楽しむ会」を開催致しました。
ご参加頂きましたお客様、誠にありがとうございました。
今回のテーマはブラインドとなります。
あらかじめ新聞紙で日本酒の銘柄を隠し、まずは先入観無しで試飲して頂き、皆様にお気に入りの日本酒を決めて頂こうという企画です。
参加者全員がすべてのブラインドの日本酒を試飲し終えた時点で、一本ずつ新聞紙を剥がし、それぞれの日本酒をご紹介させて頂きました。
高級酒あり、有名酒あり、珍しい銘柄あり、日本酒会初出品銘柄あり、というラインナップです。
それでは今回の出品酒ですが、乾杯酒を含めまして合計18銘柄です。
こちらの画像は新聞紙をすべて剥がしたときのものです。
今回の乾杯酒は…
一番右端にあります「くどき上手 大吟醸 澱がらみ」です。
出品酒と同様、播州山田錦を35%まで磨いて醸したものに、澱を混ぜたものです。
くどき上手らしい華やかな香りと濃厚な旨みを伴った素晴らしいお酒でした。
一気に飲んではもったないということで、グラスに残したままじっくりと飲まれる方もいらっしゃいました。
その他右から順番に…
①仙介 特別純米 白麹 無濾過生原酒
②鍋島 大吟醸 雫しぼり
③農口尚彦研究所 山廃吟醸 無濾過生原酒
④農口尚彦研究所 純米大吟醸 無濾過生原酒
⑤楽器正宗 本醸造 無濾過原酒
⑥十四代 角新 大吟醸 生
⑦花の香 純米吟醸 華錦1401
⑧而今 純米吟醸 東条山田錦
⑨高砂 松喰鶴 純米大吟醸 無濾過生
⑩高砂 松喰鶴 純米大吟醸
⑪射美 吟撰 槽場無濾過生原酒
⑫射美 North Gifu 無濾過生原酒
⑬射美 特別純米 槽場無濾過生原酒
⑭射美 SILVER 無濾過生原酒
⑮射美 GOLD 無濾過生原酒
⑯射美 WHITE15 無濾過生原酒
⑰射美 WHITE16 無濾過生原酒
今回は①~⑧までをブラインド(新聞紙でくるんだ状態)にしてお楽しみ頂きました。
ブラインドにした①~⑧のうち、
一番人気だったのは…
何と!
①と⑤でした。
①は、兵庫県の泉酒造さんが造るお酒です。
通常、黄麹で造るところ、一部を白麹に変えて造られています。
酸っぱすぎず、甘みとのバランスも絶妙でした。
⑤は、前回の日本酒会のテーマにもしました「自然郷」を醸す大木代吉本店さんが醸す銘柄です。
もともと地元向けに造られていた銘柄でしたが、しばらく造られることはありませんでした。
ところが昨年、大手酒屋さんの社長と十四代を醸す高木顕統さんからの提案で、29BYより造られるようになった銘柄です。
本醸造とは思えない程良い甘みのある綺麗なお酒です。
本醸造が、「十四代」の大吟醸や「而今」の純米吟醸を抑え、「仙介」と同票で第1位という結果でした。
皆さんびっくりされていましたので、今回のブラインドの会も大成功だったということでしょうか。
ちなみに3番目に人気のあったのは、⑧の「而今」でした。
久保田の日本酒会には「而今」が大好きというお客様が大勢いらっしゃいます。
「而今」を見事に当てて大喜びだった方、当てることができずに悔しがっている方がいらっしゃいましたので、ブラインドの楽しさを体験して頂けたように思います。
ただし、この1位と3位の差は僅か1票という結果でしたので、「而今」の人気は不動のものだと再認識いたしました。
その他につきましては、ご参加頂いた方々にはすべての順位を発表させて致しましたが、ここでは控えさせて頂きます。
それでは、番号順にご紹介します。
②は「鍋島」の最高峰となる大吟醸です。
年末発売される極上の雫しぼりの逸品ですが、やや甘いという方もいらっしゃいました。
③④は「酒造りの神様」という異名を持つ農口尚彦さんが醸すお酒です。
農口さんは27歳から石川県の「菊姫」さんで36年間杜氏を勤め、吟醸酒ブームの立役者となり、山廃ブームの火付け役ともなった方でもあります。
その後は同県の「鹿野酒造」さんで14年間杜氏を勤めました。
また「現代の名工」にも選ばれ、黄綬褒章を受章、全国新酒鑑評会では連続12回を含む、通算27回の金賞を受賞している、まさに「酒造りの神様」と呼ぶにふさわしい方です。
その農口さんが2015年に引退してから2年後となる2017年、84歳にして現役復帰を果たします。
復帰後の新酒となるのが、こちらのお酒となります。
全部で5酒類が造られましたが、今回は最高峰となる「純米大吟醸」と「山廃吟醸」の2銘柄をご用意させて頂きました。
特に「山廃吟醸」はお燗にもしてみましたが、冷酒、燗酒、ともに楽しめるお酒でした。
⑥は「而今」と並び、この日本酒会でも人気の高い「十四代」です。
特A地区の山田錦を35%まで磨いて醸された「十四代」最高ランクの一つです。
一口飲んで、「十四代」だと、当てた方もいらっしゃいました。
⑦は今、急成長している熊本県を代表するお酒です。
6代目となる神田さんは「獺祭」を醸す旭酒造さんで修行された方で、研修を終えた後、全量純米蔵として再スタートを切ります。
こちらのお酒は29BYから初登場となるもので、熊本県初のオリジナル酒米「華錦」と1401酵母で造られています。
今後、更に人気が出そうな味わいを感じさせるお酒です。
以上が、今回のブラインドにした出品酒となります。
その他の日本酒ですが…
⑩⑪は「而今」を醸す木屋正酒造さんが昨年28BYから造るようになった銘柄です。
28BYでは火入れのみでしたが、29BYから生酒も発売されるようになりました。
原料米もすべて同じ、「生」と「火入れ」の飲み比べです。
こちらもあっという間に空瓶となりました。
⑪~⑰は岐阜県揖斐郡大野町に蔵を構える杉原酒造さんが醸すお酒です。
日本一小さな酒蔵として、100石に満たないほどの少量生産で全量手造りのお酒です。
水(揖斐川の伏流水)に合った、米(揖斐の誉)に合った、地元に合った酒造りをされています。
使用されている酒米「揖斐の誉」は杉原酒造さんと地元の農家の方が協力して造った酒米で、5代目となる慶樹さんの奥様(佳誉)の一文字を取って名付けられました。
全体的に甘みの強いお酒が多いのが特徴です。
好みが分かれるところかも知れません。
それからお料理ですが…
先 付 烏賊そうめん
前 菜 筍の木の芽和え 筍とスモークサーモンの天ぷら 筍と鶏肉のはさみ焼き
お造り 長崎県産石鯛
焼き物 鰻肝焼き
煮 物 女将特製 揚巻湯葉の含め煮 いんげん
揚 物 帆立しんじょ グリーンピースソース
食 事 うな丼 出し汁 薬味
香の物 胡瓜 大根 蕪 人参 守口漬
先付は、これから旬となるスルメイカを使い、初夏を感じる涼しげなガラスの器でお出ししました。
前菜には、春の味覚の代表格とされる筍を使って、筍三種盛りにしてみました。
一つは、筍と相性抜群の木の芽を使い、その香りもまた春の味覚としてお楽しみ頂きました。
もう一つは、筍をスモークサーモンで巻いて揚げた天ぷらです。
そしてもう一品、甘辛いタレを付け、炭火でじっくりと焼いたはさみ焼きです。
お造りは、石鯛を使いました。
名前の由来は、固くて鋭い歯を持ち石をもかみ砕くというところにあるそうです。
女将の一品は、揚巻湯葉にじっくりと出汁の旨みを染み込ませて作った含め煮です。
お出汁も一緒に味わって頂けたでしょうか。
揚げ物は、帆立のしんじょに、旬のグリーンピースを使ってソースを作り、春の味覚と色彩をお楽しみ頂きました。
お料理はいかがでしたでしょうか?
最後に70回記念としてじゃんけん大会をしました。
勝った方には豪華商品が…!?
まずはこちらの新商品です。
「山本 純米大吟醸 ロイヤルストレートフラッシュ」
ラベルも斬新ながら、中身もすごいのです。
秋田県産の5酒類の酒米と秋田で生まれた5種類の酵母を使用して醸しています。
つまり5種類の酒米と酵母を使用しているので「ロイヤルストレートフラッシュ」なんです。
そしてこちらは酒粕です。
農口尚彦研究所の酒粕で、非売品となっていますので、こちらはさらにレアものかも知れません。
じゃんけんで勝った方、おめでとうございます!
ブラインドでのテイスティングで、銘柄名を当たるのは難しいとは思いますが、純粋にお気に入りのお酒を見つけるには面白かったのではないかと思っています。
お客様からもまた是非開催して欲しいとのお言葉も頂戴しました。
また機会がありましたら開催したいと思います。
次回の日本酒会は来月5月となります。
こちらもよろしくお願い致します。